イタリアの窓から

〜イタリアでの暮らしのスケッチ〜 1. ペコラ pecola

イタリアの夏時間が終わり1時間繰り下がったある秋の日、マルティンニョーニのママ、マリアの別荘にお邪魔することになった。子供達の合宿するカンポ(サッカーグランド)が偶然にも近くなので仲間のパパス&ママスと共にそこに泊まることに。10人も泊まれるなんて!と驚く間も無くまずは美味しい夜の店に到着。スイスに近く、辺りでは有名なラクレット料理のコテージ。大きな皮付きのパルメザンを半月状に切って電熱器に引っ掛け、中身が溶け落ちてくるのをお皿で受ける。それを生野菜やポテトに垂らしたりサラメ(イタリアのサラミソーセージ。独特のハーブと塩っ気で発酵させたもの。皮は臭いが中身はそれはそれは美味しい)やプロシュート(生ハム)やステーキやパンに垂らして食べる。この国のチーズ文化ときたら。。。普段の夕食でも最後に何か足りないなと思うのは、美味しい何種類ものチーズが大皿にのって手から手へ回される習慣のせいかもしれない。

チーズとワインに酔いしれてマリアの別荘へ。山肌沿いに4階建ての一番上のフロアのベッドに決めると、いつの間にか眠りについてしまう。ふと目が覚めたのは、なにかコロンコロンというやさしい音。土鈴のような。近づいてきて、遠ざかっていくような。。。上から聞こえる。なんだろう。朝の4時。次の日も同じ音で目が覚める。遠くから。学校のチャイムのような村のおと?

マリアがランチのとき答えた。

「ああ、あれね、ペコラよ。羊。羊飼い」

「山肌をね、朝、散歩して渡っていくのよ」

そのベルの音、首につけたベル。コロコロとやさしい山の音。

朝霧の向こうに。。。

イタリアの窓から