イタリアの窓から

~イタリアでの暮らしのスケッチ〜 2. カロリーフェロ carolifero

北海道とほぼ同じ緯度のミラノなのに冬は東京ほど寒く感じない。外の温度計をみてみると−5℃。寒くないわけない。でもそう感じるのはなぜ? そうか、、北風がないから。。。とはいえ外出には必ずニット帽・マフラー・手袋の3点セットが登場。

イタリアにまだ慣れないとあるクリスマス休暇、マルペンサから到着するやいなやまず火を探したものだ。手をかざす火。ところがどこにもない。ストーブなどない。石油ストーブは皆無、電気ヒーターもだいたい売っていない。実際ガスコンロに火をつけて手をかざしたりして。。。

皆は文字通り暖かい格好をしている。昔コラムで、冬には家の中でセーターを着る生活にこだわりたいととある作家が言っていた。ほんと。その生活がここにはある。気付くと暖かさはじんわりやって来た。どこから来るの? キッチン? いや、、、壁。埋め込まれたヒーター。どの部屋も、どの家も。。。

「これかあ〜」

「カロリーフェロ」

オイル循環式壁付間接暖房。

朝は早めにスイッチを入れておかないと家中が凍えたまま。なんでも準備。スピーディーに対応できないことに対してこの国の人々は前倒しで準備する習慣が根着いている。料理しかり、洗濯しかり、holidayの過ごし方しかり。。。そしてカロリーフェロには靴下や、これから着ていく家族のジャケットコートなどがそっとかけられて。。。

ゆっくり温まる朝の空気が、モカマシーンのぶくぶくいう香りとともに家中に広がる。。。

イタリアの窓から